建築相談事例 4.良心的な施工者をどうやって探す?
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設計施工で行なう場合、工務店は良心的なところにお願いしたいものです。
国の立法・行政・司法という三権分立は家を建てる場合にも当てはまります。 設計が立法、施工が行政、工事監理が司法に例えられ、それぞれが独立した役割を持つ事が望ましいのです。 ところが設計施工の場合は設計・施工・監理を全て同じ人が行なう方式で、ここに問題の多くが発生する原因があります。 建てる前に設計者を決めてから一緒に施工者を選ぶなどすれば防げたかもしれません。 この例の場合は引き続き下請け業者の方と交渉するか、無理であれば費用は別途かかりますが、他の施工者を探して修理依頼を行なう事になります。 |
【経過及び原因と対策】
決めた間取りと違っている部分は窓のひさしや欄間(窓)が無いなどで、建築中に建築主が気が付き、途中で外壁に穴を開け欄間や庇を取り付けたのですが、入居後そこから雨が漏れてくるという歩行名事例です。 このケースの場合は結局自分の費用で別の業者に手直しを依頼することになりました。 「丸投げ」は仕事を請け負った者が、その全部を他者にさらに請負わせる事を言いますが、建築の質が低下したりトラブルがあった場合の責任の所在が明確ではないなどから公共工事も全面禁止、民間工事も「民間連合協定工事請負契約約款 ※」では第5条に一括下請・一括委任の禁止の項目があり全面禁止となっています。 他に民間で使われる工事請負契約書式としてはいくつかあるようですが丸投げの禁止項目等が無いものがいくつかありますので、前記を使って契約するのが良いでしょう。 ※民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款 (社)日本建築士事務所協会連合会・(社)日本建築学会・(社)日本建築家協会・(社)日本建築協会・(社)全国建設業協会・(社)建築業協会・(社)日本建築士会連合会が制定している。最新版は平成12年4月 |
施工者を選ぶ際のポイントをいくつか挙げておきます。
≪好ましい場合≫ ・自分のところで施工したものを見せてくれる ・仕事に対するしっかりした主義主張が感じられる ・設計者に紹介してもらった ・地元の評判がいい ・建設業登録がされている(資格の確認、都道府県の建築管理課など) ・経営状態が安定している ・アフターサービスをしっかり行なっている ≪避けた方が良い場合≫ ・こちらの話をよく聞いてくれない ・当方に任せれば安心であると自慢話ばかりする ・施工が考えている以上に発展性がない ・自分のところで図面作成をしていない ・見積の項目内容が”一式”表示され数量が明示されない ・打合せ記録を細かく取らない ・打合せ担当者がよく変わり話が伝わっていない ・契約や頭金の納入などを急ぐ などが考えられますので参考にしてください。 |
(社)日本建築士事務所協会連合会の月刊誌「建築相談あ・ら・カルテ」
2003年4月号よりより抜粋しています。 |